伊藤 陽介
2年以上、インタビューサイトを運営する中で気がついた、Googleからインタビューコンテンツの評価が低い理由と結果の出た改善策についてまとめています。
予想を裏切り大コケしたインタビューサイト
最初に結論から言うと、『みんなのインタビュー』というサイトは、いままでもっともチカラを注ぎ、予想を裏切り大コケしたサイトです。
コンテンツ作成のために行ったインタビューは4,000以上
サイトのコンテンツとしてアップされているインタビュー数は数百ページだが、お蔵入りも含めると実は4,000以上のインタビューを行ってきています。
ただ、実際にはインタビューとは呼べないようなまるでアンケートみたいに質が低いモノも多数含まれています。これは自分がオリジナルだから大丈夫という思い込みから数を増やすことばかり重視したからですね。
かけた費用は1,500万円以上
内訳の詳細についてはとりあえず伏せさせておいてください。
理由としては、インタビューコンテンツの作成代行をお願いされることもあって、いまは全てお断りしています。
今後の展開次第では一応ひとつの選択肢として考えているため具体的な金額は掲載しづらいです。
実際に投じている費用はもっと大きいと思っているのですが、この記事では1,500万という数字を挙げています。
盛った金額ではなく、確実に使っていると自信を持って言い切れる金額としました。
かけた時間は1年半以上
特に最初の仕組みづくりのため、半年ぐらいはインタビュー記事しかやっていませんでした。
当時は寝ても覚めてもインタビュー記事をどうするかばかりを考えていましたね。
2013年4月にインタビューで日本一のサイトを作ろうと決めてから3か月間は自分ひとりで一生懸命頑張ったのですが、合計で50インタビューぐらいしかこなせませんでした。
そこで得た知識と経験を元に本格的な仕組み作りを開始。
仕組みができてから先、自分はインタビュアーとしては身を引きました。
その後、スタッフのみで2013年末には目標であった500インタビューを大きく上回る700インタビュー達成。
スタッフさん達が日々創意工夫してくれたこともあってこの数字につながりました。
その後、2014年7月時点で4,000インタビュー(※公開記事数は約2,500)を突破するもアクセス数はずっと横ばい。
パンダアップデート更新のタイミングと同時に一気にアクセス数が半分のとなったため、品質が低い記事と認めざるをえず作業ストップ。
ストップした後は投稿されていた2,500記事のうち1,500記事以上を削除。いま公開されている記事の中でも低品質と判断してnoindexが入れてある記事も多く含まれています。
それどころか公開はしてありますが、残念ながら低品質と判断されている記事がまだほとんどです。
その後はたまに何かを思いついては修正を行い、ストップしてからは内勤のスタッフさんは一切動いていません。
新規記事を追加することは稀にある程度で、すべて自身で行っていました。
試してみたい改善案が出てきたときだけ、自分が外注さんに直接指示を出して色々と試していました。
肝心のアクセスと収益はほとんどナシ
肝心のアクセスと収益はほとんどありませんでした。
結果的にはコレが全てです。いくらお金と時間をかけようが収益さえ上がっていればよかったわけです。
このサイトを立ち上げる以前からインタビューによりコンテンツを作成する機会が多く、収益にも多く結びついていたことから、かなり自信あったのですが当サイトに関してはほぼゼロ。
自信ではなく過信だったことを思い知らされました。
以上のようにお話するのも恥ずかしいぐらいの散々たる結果となったわけですが、なぜ、あえてこのようなお話をするのか?いうと、同じミスをやらかしそうな方が沢山いらっしゃるからですね。
良きお付き合いをさせて頂いている方たちからも「インタビューコンテンツの手順を教えて欲しい」とよく相談されたりします。
そのたびに「わざわざインタビューで記事作る必要ないよ」と話すのですが、それでも食い下がってくる方もいるので、そのときは悲惨なアクセス解析結果を見せると、皆さん「うん、やめておく」となりますね。
なぜ、みんな相談に来るのか?食い下がるぐらいノウハウを聞きたいのか?というと「インタビューによる独自コンテンツであればGoogleからの評価が高いはずだ」と考えているからです。
自分も、そのうちの一人でした。
その思い込みが強すぎて「上手くいかないわけがない」「なぜ、上手くいかないのか理由がわからない」と悩んでいましたね。
というわけで、以下にインタビューコンテンツがGoogleから評価されにくい理由について解説していきます。
インタビュー記事がGoogleから評価されにくい4つの理由
1、文章量の多さと情報量の多さは比例しない
インタビューでコンテンツを作るとやたらと長い文章になります。実際、ウチのインタビュー記事も、ざっくりとですが1記事あたり平均で4,000文字~5,000文字はあったと思います。
正確な数字までは記録していなかったのでわかりませんが「これだけの文章量があれば独自性も強くてかなり優秀なコンテンツのはず」と考えていたのですが、これが大きな勘違い。
実際には話し言葉による間延びした文章や同じ内容の重複などで文字が増えているだけでしたね。中でもインタビューならではの「受け答え」で内容の無い文章が上乗せされていることも多かったです。
「さっきもお話したのですが」「とか」「そうですね」「だと思います」という表現がやたらと増えます。
文章量だけが多くて、実際には中身が薄くて情報量の無いコンテンツだったというわけです。
2、びっくりするぐらいキーワードが含まれていない
5,000文字もあるのだからキーワードも沢山含まれていると思っていましたが真逆です。恐ろしいぐらい含まれていません。
「そもそも専門家に聞いているの?」
こう思われる方もいらっしゃると思いますが、保育士として20年近くお仕事をされてきている方へのインタビューでも同じ結果でした。
キーワードを調べてみると、保育士へのインタビューなのに「子供」と「保育園」いうキーワードが入っていませんでした。誰が考えてもかなりの重要キーワードですよね?
理由はシンプルで、実際にお仕事をされているのは「保育所」で、子供のことは「お子さん」や「赤ちゃん」とお話されるからです。
同じ意味の言葉をわざわざ違う表現方法で複数使いまわす人はいません。
人材派遣会社に関するインタビューをしたときも同じで「人材派遣会社」と「人材派遣」という言葉が入っていませんでした。
なぜならば、その方は「派遣」と「派遣会社」という表現方法でしかお話されなかったからです。わざわざ「人材派遣会社」とは使い分けてくれません。
他にもデイトレーダーへのインタビューなのに「デイトレ」という言葉しか使わないから「デイトレード」というキーワードが含まれていなかったこともありました。
3、話が脱線してタイトルとコンテンツ内容の一貫性がなくなる
話が脱線してタイトルとコンテンツ内容の一貫性がなくなるケースは多々あります。
たとえば、海外旅行インタビューで多いケースとなるのですが、「旅先で何か困ったことはありましたか?」というと、海外旅行ならではの面白いトラブルの話が出たりします。
話している本人自身が面白がっていることもあり、そのトラブルの話がインタビュー記事の半分以上を締めたりすることがあります。
例をあげると「旅行先で窃盗にあった」とかですね。
するとテーマは旅行記のインタビューであるにも関わらず、「海外旅行で窃盗にあった思い出話」でほとんど埋め尽くされてしまいます。
記事タイトルとコンテンツの中身に大きなズレが生じます。
いまではこの一貫性の無さがいかにダメなのかよくわかるのですが、当時は「なんてオリジナル性が高くて面白いコンテンツなんだ!」と喜びに満ち溢れていましたねー。
・・・うん、当時の自分が哀れすぎて涙が出そう。
4、専門家だから情報に詳しいわけではない
インタビューに限らず記事を書く人でも同じこと言えるのですが、専門家だから情報に詳しいわけではありません。
たとえば、ウェブ制作会社の社長であればWEBについてなんでも詳しいのか?というと決してそうではありません。
しかし、親を含め周りの人間はインターネットに関係する仕事だからパソコンにすごく詳しいはずと思いこんでいて、なんでもかんでも相談されるわけです。
親「パソコンがほしいんだけど何がいいかな?」
自分「ヨドバシカメラの店員さんがやさしく教えてくれるよ」
妹「ホームページってどうやって作るの?」
自分「アメーバブログってところで無料で作れるよ」
友人「G●Oってところからすごく良い広告があるって電話があったんだけど」
自分「とりあえずやめとけ」
全員「オマエ、本当にウェブの仕事してるのか?(疑惑の目)」
自分「いや、みんなこんなもんやって」
たぶん自分だけじゃないですよね?ウェブ業界の人たちのあるあるネタじゃないかな?
ウェブ業界だけ当てはまるわけではなく、他の業種でも一緒だったりします。
たとえば某大手エステサロンで10年以上仕事をしていて、その間に最優秀賞をもらうほどの優秀なエステティシャンに「セルライトについて教えてください」って聞いたら「脂肪の塊」の一言で終わりました。
他にも葬儀に関するサービスを運営している社長に葬儀マナーについて聞いたときなんかは「ちょっと待ってくださいね」とカタカタとGoogleで内容を検索しはじめましたらかね。
すごく面白かったですけど、インタビューとしては残念な結果に(笑)。
ようは、インタビューする相手の実績と知識量はイコールではないということです。
それどころか色々な方と話して感じることなのですが、すごい成果を上げている方ほど、コミュニケーション能力がズバ抜けて高いけど、細かい知識は持っていないイメージが強いですね。
インタビュー記事の評価を高める記事改善6つの手順
ここまで散々すぎるぐらいインタビューコンテンツはイマイチという話をしてきましたが、決して「インタビューコンテンツ=NG」なわけではありません。
インタビュー記事を上手に活用されている有名サイトも存在します。
この一年ほどコンテンツSEOに取り組む中で「何が良くて何が悪いのか?」という基準が自分の中で固まってきたこともあり、3ヶ月前からインタビューコンテンツの改善にテスト的に取り組んだ結果が以下となります。
(※2015年7月5日~10月5日までのオーガニック検索によるトラフィックの推移)
一日200ユニークだったところを以下の6つの手順を行っていくことで900ユニークを超えてきました。
この章では、インタビュー記事の評価を高める記事改善6つの手順を解説していきます。
1、ムダな文章の削除
インタビュー記事ならでは出てくるムダな文章を削除していきます。
「あー」「えー」といった明らかにムダな相槌を取り除くケバ取り作業自体はしてあったのですが、質問に対する端的な返答や話し言葉特有のまわりくどい言葉使いを修正しました。
特に「なぜなら~」「~とか」「~など」「そうですね」をかなり削っています。
2、質問に対してきちんと答えられていない部分を削除
質問に対してきちんと答えられていない部分を削除していきます。
内容的には1と重複する部分でもあるが、「○○についてはどうですか?」という質問があったとして、それに対して「たぶん、○○だと思います」ときちんと答えられていない部分はバッサリ削除。
質問に対して「はい」や「いいえ」だけの場合も削除しています。
3、文節の修正
次に分節の修正を行いました。
話し言葉なことから文章が前後していたり、文節が細かく区切られていたりすることが多々あります。
細かく分かれていた文節をひとつの文節としてつなげ、話している内容を変えないカタチで文章の前後の入れ替えを行いました。
4、記事タイトルの修正と変更
記事内容とタイトル内容を合わせるためのタイトルの修正と変更を行いました。
インタビューの話題がある一点に偏りすぎることで、当初予定していたインタビューテーマと記事の内容が大幅にズレてしまっているケースが見受けられたからです。
5、ミエルカで重要キーワードの入れ込み
入っていて当然であるべき重要キーワードが抜けている対策としては、ミエルカというツールを活用して入れ込んでいきます。
6、ミエルカで補足情報の入れ込み
キーワードと同じく、ミエルカを活用することで足りない情報部分をインタビュー以外にも補足情報やワンポイントアドバイスとして付け足しています。
改善内容については以上の6点となります。この間は新たな記事公開せず、noindexが入れてある記事もまだそのままです。
「公開されている記事の改善だけでどれだけイケるかな?」というのをテストしていた状態ですね。
ただ、実際のサイトのほうを見ていただいても「あれ?全然出来ていないのでは?」と思われるでしょう。
なぜならばテストということで、改善作業の進行自体はまだ全体の5分の1程度だからです。
それでも確実に結果には繋がってきているし、上記手順が全て終わるころにはそれなりなアクセス数には繋っているかなと予測しています。
そしてこの中でも特に結果に繋がったのが「ムダな部分の削除」「質問に対してきちんと答えられていない部分を削除」「文節の修正」の1~3番の部分ですね。
おそらくGoogleが正しい文章として認識出来ていなかったんだろうなと考えています。この1番~3番はインタビューコンテンツにおいてもっとも品質を下げやすい部分なのは間違いなさそうです。
いまはまだ短時間しか作業が出来ない在宅スタッフのみにお願いして地道に続けてもらっていましたが、結果に繋がってきています。
そのため、今後は人員増強による記事改善のスピードアップを考えています。
まだ、修正していない記事が5分の4以上残っているし、かけた金額や時間を考えるとダメすぎる数字なのですが、ようやく改善へのキッカケを掴んだと手ごたえを感じています。
まとめ
自分の頭の中の洗い出しついでにいろいろと書いてきましたが、今回の失敗の原因をひとことで言うと「インタビューはオリジナルコンテンツだから大丈夫」という自身の思い込みから来る思考停止によるものですね。
オリジナルな記事を増やせば、それに比例してアクセスと売上げも伸びるだろうという甘い考えで夢一杯というね。
・・・悪夢という面では合ってたけど(笑)。
改めて見直してみると、やっぱり恥ずかしいですね(笑)。
最後となりますが、これから自分が運営するサイトにインタビューコンテンツを取り入れようとお考えの方にとって、当記事の内容が少しでも参考になれば幸いです。